悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
「ごめんね、灯里。……先に謝っておくよ」
玲士の掠れた声が灯里の耳を擽る。
玲士は灯里の髪に頬を埋め、耳にそっと口づけを落とし囁いた。
「やっぱり、帰せない」
「……っ」
「お前をあいつのもとに行かせるくらいなら、お前に憎まれようとここに縛り付けておく方がまだマシだね」
言葉と共に玲士の腕が足の裏に回り、膝を掬われる。
呆然とする灯里を玲士は抱き上げ、くるりと踵を返す。
灯里は揺れる視界の中、なす術もなく至近距離にある玲士の顔を呆然と見上げていた……。