悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
12/22。
灯里は休憩室で携帯を片手にうーんと頭を抱えていた。
晃人からのメールにまだ返事をしていない。
恐らく晃人も灯里の迷いをわかっているのだろう、あれから晃人からもメールはない。
灯里は無意識のうちに携帯の受信ボックスに並ぶ玲士からのメールに目をやった。
悪魔から来るメールは仕事関係がほとんどだ。
頻度は晃人の1/5ほどで、内容は悪魔らしく簡潔で短い。
変に凝ったメールが来たら呪いか何かだと思ってしまいそうだ。
「水澤くん……」
灯里は昨日の経営企画室の光景を思い出した。
今日も玲士は机にいなかった。
この数日間、灯里は玲士の姿を見ていない。
「って、あたしが気にすることじゃないけどさ……」
灯里は缶コーヒーを一口飲み、立ち上がった。
――――悪魔がいないとなんだか調子が狂う。
そう思うようになったということは、認めたくはないが悪魔に毒されてきている証拠なのかもしれない。
灯里ははぁと小さく息をついた。