悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
「どうしよう、これじゃ新幹線に乗れない……」
「じゃあもう一泊して明日帰れば?」
「悪魔の巣窟に居残るバカがどこにいるっての!?」
灯里は目を剥き、叫んだ。
が、お金も何もないこの状況ではここにいるしなかい。
土日はATMでお金を引き出せないため、帰りの電車賃も玲士に頼るしかない。
それに携帯もない。
と、そこで灯里ははっと顔を上げた。
「そうだ、あたしの携帯!」
「ああ、あれ? 昇天しちゃったけど」
「昇天させたのはアンタでしょうが……」
睨みつける灯里の前に、玲士はすっと何やら差し出した。
……元、携帯だったモノ。
無残になったその姿に灯里はうっと口元を押さえた。
「あ……あたしの携帯が……っ」
「今日はゆっくり休んで。明日、携帯買いに行くから」
「ううっ……」
灯里は内心でシクシクと泣きながら、げっそりと肩を落とした。
今の体調からしても、非常に不本意だがそうするしかない。