悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~




一息つくと、なんだかお腹がすいてきた。

灯里は置かれたコーヒーを一口飲み、手近にあったパンを取り上げた。

ライ麦か何かが混ざっているのか、とても風味が良い。

食べ始めた灯里に玲士はコーヒーを一口飲み、尋ねた。


「灯里、今夜は何が食べたい?」

「……へ?」

「お前に無理させたお詫び。好きなもの作ってあげるよ。何がいい?」


玲士は灯里の顔を覗き込んで言う。

好きなものって……。

というか悪魔が料理?


しかし玲士は自炊していると前に聞いたような気もする。

灯里はうーんと考え、口を開いた。


「……オムライス?」

「オムライス、か。やっぱりお子様だね、お前」

「なによっ! 好きなものって言ったじゃん!」


< 57 / 174 >

この作品をシェア

pagetop