悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
灯里の言葉に玲士はくすりと笑った。
灯里の髪を撫で、腰に回した腕に力を込める。
「ねぇ、灯里」
「……ん?」
「そろそろ、呼び方を変えてくれない?」
玲士は灯里の髪を優しく撫でながら言う。
灯里はその感触にどこか安らぎを感じながら、ゆっくりと玲士を振り返った。
「『水澤くん』とか、『あんた』とか、『悪魔』とか『魔王』じゃなくって……」
「……事実じゃん」
「恋人なら恋人らしい呼び方があるでしょ? ……ってこと」
玲士は灯里の頬にキスを落とし、言う。
灯里はカッと頬を染め、上目遣いで玲士を見上げた。
「で、でも……じゃあ、何て……」
「名前でいいよ。玲士、でいい」
灯里は思わず目を見開いた。
突然呼び捨てというのはさすがにちょっと戸惑う。
何も言えない灯里に、玲士はくすっと笑った。