悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
「さ、行くよ。他に見たい店はある?」
「えっと……」
と歩き出した時。
通路の角、ガラス越しのショーケースの中にきらきら輝くものを見つけ灯里はそちらへと近寄った。
見るとシルバーのネックレスや指輪、ブレスレットなどが並んでいる。
灯里は普段あまりアクセサリーはつけない。
けれどこうしてガラスケース越しに綺麗なジュエリーを見るのは嫌いではない。
目の前に並んでいるアクセサリーはどれもシンプルで繊細な造りだ。
灯里はジュエリーについてはあまり知識がないが、目の前に並んだジュエリーは灯里の好みに合っている。
じーっと見つめる灯里の隣で、玲士もガラスケースを覗き込む。
「……欲しいの?」
玲士の言葉に、灯里は慌てて首を振った。
「あっ、ううん。キレイだなーって思っただけ」
「……」
「ホラあたし、普段何もつけないしね。見てるだけで満足というか……」
と言いかけた灯里だったが、腕を玲士にがしっと掴まれ息を飲んだ。
玲士はそのままスタスタとジュエリーショップに入っていく。