悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
14:40。
クリスマスムード一色の街の中、灯里は玲士と手を繋いで東京駅に続く道を歩いていた。
新幹線は15:00出発なので、出発まであと20分ほどある。
――――あれから。
二人は丸の内にあるお洒落なビルの一階で昼食をとった。
食事の後、玲士は買った指輪を取り出して灯里の右手の薬指に嵌めた。
――――繊細な輝きを放つ銀の指輪。
目を輝かせた灯里に、玲士は少し笑って言った。
『いつか、左手の同じ指に指輪を贈るから』
『……っ』
『言っとくけどお前に拒否権はないからね?』
玲士は目を細め、艶然と微笑んで言う。
灯里はその笑顔に引き込まれるのを感じた。
多分自分は、この悪魔を好きになっているのだろう。
けれどこの三日間であまりにいろいろなことがあったため、まだ気持ちの整理がちゃんとできていない。