悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
灯里の胸に切ない想いが突き上がる。
灯里は衝動的に背伸びをし、玲士の唇に掠めるようなキスをした。
目を見開いた玲士に、灯里は笑った。
「またね、玲士」
微笑んだ灯里を玲士は驚いたように見つめた。
踵を返した灯里の肩に、玲士がとっさに手を伸ばす。
しかしその手が触れようとした瞬間、二人の間を遮るようにドアが閉まった。
微かな振動と共に新幹線が動き出す。
灯里はホームに立つ玲士の姿が見えなくなるまで、ドアの窓越しにその姿を見つめていた……。