悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
「うーん……」
灯里は玲士のコートを見つめながらうーむと首を捻った。
と、その時。
ピピッと携帯が鳴るとともにメールが入った。
玲士だ。
『今日の夜、電話するから』
相変わらず簡潔なメールだ。
けれど以前に比べてメールの頻度はかなり増えた。
電話も2日に1回は来る。
普通に遠恋の恋人同士という感じだ。
「恋人同士、か……」
自然と頬が染まる。
玲士と自分が恋人同士になるとはまさか思ってなかったが、実際になってみると悪くないかもと思ってしまう。
玲士は相変わらず悪魔ではあるが、以前に比べて格段に優しくなった。
……と思ってしまうこと自体、既に悪魔の術中にハマっているのかもしれない。
玲士のことを思い出すと胸が熱くなる。
灯里はコートをしばし見つめた後、ぱたんとクローゼットを閉じた。