悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~




翌日。


灯里はごみ袋を両手に抱え、集積所へと歩いていた。

今日は燃えるごみの年内回収最終日だ。

集積所にごみを置き、踵を返す。


と、その時。


道の角にガーネットブラックのジーマが止まっていることに気づき、灯里は足を止めた。

目を見開いた灯里の視線の先で、中から人が降りてくる。

晃人だ。


「晃くん……」


晃人はスタスタと速足で灯里の方へと歩み寄ってくる。

灯里は足が地面に張り付いたかのようにその場に立ち尽くしていた。


あれから晃人とは連絡をとっていない。

というより携帯が壊れていたため物理的に取れない状況にあった。


「……灯里」


晃人は灯里の前で足を止め、見下ろした。

その瞳は酷く苦しげで、灯里は胸が抉られるように気がした。

これまで見たことのない辛そうな表情に灯里の胸も痛む。


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