悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
けれどもう、自分の心は玲士に絡め取られてしまっている。
晃人の気持ちは嬉しいと思うが、自分は晃人の気持ちには応えられない。
胸に切ない痛みが広がってる。
けれどちゃんと言わなければ、晃人を苦しめるだけだ。
灯里はぐっと手を拳に握りしめ、口を開こうとした。
しかしそんな灯里を晃人は手ですっと止める。
「いい。来なかったのがお前の答えだ。それはわかっている」
「……」
「――――水澤だろう?」
灯里は胸を突かれ、晃人を見上げた。
なぜ何も言っていないのに晃人にはわかるのだろうか?
それはきっと、晃人がずっと昔から灯里を見つめてきたからだろう。
――――いつも灯里を気にかけてくれた幼馴染。
晃人の心の痛みを思うと灯里も胸が痛む。
晃人は車に寄りかかり、軽く腕を組んだ。