悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
3.最悪な印象?
1/15の昼過ぎ。
灯里は駅の改札の前で玲士が来るのを待っていた。
三週間ぶりの再会にそわそわする灯里の目に、見覚えのある男の姿が映る。
「玲士!」
灯里が呼ぶと、玲士はまっすぐ灯里の方へと歩いてきた。
前と変わらない、端正な美貌と透明感のある美しい瞳にドキッとする。
二人は落ち合った後、駅近くの喫茶店へと入った。
喫茶店は駅から徒歩5分ほどのところにあり、ナチュラルで落ち着いた雰囲気の店だ。
二人は窓際の席に案内され、腰を下ろした。
「新しい職場はどう?」
「忍村商事よりは忙しいね。やりがいはあるけど」
テーブル越しに座った玲士が苦笑して言う。
灯里は眉を上げて玲士を見た。
前に比べて、何だか雰囲気が変わったような気がする。
落ち着いた感じとでも言うのか……。
思わずまじまじと見つめる灯里に、玲士は続ける。