悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
「月曜に急な会議が入ってね。その下準備というかセッティングというか、とにかくいろいろやることがあるの」
「そ、そうなんだ……」
相当忙しい会社らしい。
しかし最初からそんなに忙しくて大丈夫なのだろうか?
と心配した灯里に、玲士は安心させるように少し笑った。
「慣れるまではちょっと忙しいかもしれない。いずれ慣れれば自分のペースで仕事を回せると思うよ」
「……」
「だから、この先数か月はあまり会えないかもしれないけど、メールや電話はするから。お前は心配しないで?」
玲士は灯里の手を取り、右手の指輪にそっと口づける。
灯里はドキッとし、思わず手を引っ込めようとした。
が、悪魔にガシッと手を掴まれ引くことができない。
「ちょ、ちょっと。ここ喫茶店っ……」
「いいでしょ、これぐらい。あんまり時間ないんだから」
玲士は長い睫毛を伏せ、もう一度口づけながら言う。
灯里は目を白黒させながら玲士にされるがままになっていた。