悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
「そう言えば、お前。……あれからあいつとは会ったの?」
玲士はじっと灯里を見つめ、言う。
心を探ろうとするその視線に灯里は内心でうっと怯んだが、やがて観念してあったことをそのまま話した。
――――5分後。
「……へぇ」
全てを聞き終わった玲士は低い声で呟いた。
氷のような視線がジロリと灯里を見る。
灯里はヒィと無意識のうちに腰を引いてしまった。
「あいつ、お前の家の近くまで来たわけ?」
「……まぁ、家の場所は知ってるからね。昔、隣に住んでたわけだし」
「なんかムカつくね。彼氏のおれがまだお前の家に行ったことないのに……。あいつは何度も行ったことがあるんだ?」
「だって幼馴染だもん」
灯里は口を尖らせ、言った。
さすがにこればかりはどうしようもない。
過去は変えられない。
ずずっとコーヒーを飲む灯里に、玲士は低く鋭い声で言う。
「今度、お前の家に行ってもいい?」
「いいけど……あ、でも……うーん……」