悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
「お前、ねぇ……」
「?」
「そんな大事なこと、なんでもっと早く言わないの!?」
どん!と玲士はテーブルを叩く。
灯里はひぃと仰け反った。
玲士は灯里の腕をぐいと掴み、叫ぶように言う。
「灯里、行くよっ」
「えっ、どこに?」
「決まってるでしょ。お前の家!」
玲士はコートと鞄を取り上げ、席を立とうとする。
灯里は慌てて玲士を見上げた。
「きょ、今日はみんな出かけてるから、家に行っても誰もいないよ?」
「……っ」
灯里の言葉に、玲士はがくりと脱力したように再び椅子に座った。
テーブルに片肘をつき、軽く首を振って目元を覆う。