愛を教えて ―番外編―
ジェイクの言葉の意味がよく理解できないのか、ソフィはボーッとしたままで答える。


『そんな……早くは無理よ。次の予定日が二週間先だから……そこからもう一、二週間』 

『じゃあ、三週間以内だ。それまでに結婚式を挙げよう。なら君は未婚の母になる不安を抱えずに済む』


唐突なジェイクの提案に、ソフィはしどろもどろになりつつ反論した。


『待って……そんな、そんな……待って、お互いに何も知らないわ……あの』

『さっきあんなに深く知り合ったじゃないか! 僕はそんなに経験豊富じゃないんだ。あれがすべてだよ』

『そんな……私も一度しか経験がないから。さっきのは凄かったわ……アレが本当のセックスなのね』


次第にソフィの目がうっとりとなった。どうやら、初めて味わった天国を思い出しているらしい。

ジェイクもついさっきの素晴らしい経験を思い浮かべつつ、


『良かった! じゃあ、三週間あればもっとわかり合えるよ』


くるくるの巻き毛を揺らしながら、ジェイクはソフィに飛びつくように抱き締めたのだった。


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