愛を教えて ―番外編―
コトの起こりは今日の午後。
いつもなら一学年下の結人の弟・大樹(ひろき)も登下校は一緒だ。しかしこの日は三年生だけ残ることになり、大樹は先に帰ってしまった。
ふたりは大樹を送って帰った車が戻って来るのを待っていたが……。
そこに、藤原家から緊急連絡が入る。
それにより、自力で帰る必要のできた結人は電車を選ぶ。だが、それがそもそもの間違いだった。
焦った結人は美月が止めるのも聞かず、駆け込み乗車してしまい……。ふたりは家から遠のいてしまったのだ。
次の駅で電車を下り、タクシーを選択したふたりの前に一台の個人タクシーが停まった。
それに乗った結果……ふたりはさらに、家から離れることになってしまう。
そこは、都心から少し離れた場所だった。
閉鎖した工場で、屋根は所々穴が開いている。機械もすでになく、全体的にガランとして肌寒い。ふたりは工場の二階にある事務所らしきスペースに閉じ込められた。
だが、逃げるチャンスは何度もあった。
なんと言っても犯人は、六~七十代の老人ひとり。
しかも、『黙ってついて来ないなら、ナイフを持って幼稚園に押し入り園児たちを殺すぞ!』と訳のわからない脅し文句を言う。
いつもなら一学年下の結人の弟・大樹(ひろき)も登下校は一緒だ。しかしこの日は三年生だけ残ることになり、大樹は先に帰ってしまった。
ふたりは大樹を送って帰った車が戻って来るのを待っていたが……。
そこに、藤原家から緊急連絡が入る。
それにより、自力で帰る必要のできた結人は電車を選ぶ。だが、それがそもそもの間違いだった。
焦った結人は美月が止めるのも聞かず、駆け込み乗車してしまい……。ふたりは家から遠のいてしまったのだ。
次の駅で電車を下り、タクシーを選択したふたりの前に一台の個人タクシーが停まった。
それに乗った結果……ふたりはさらに、家から離れることになってしまう。
そこは、都心から少し離れた場所だった。
閉鎖した工場で、屋根は所々穴が開いている。機械もすでになく、全体的にガランとして肌寒い。ふたりは工場の二階にある事務所らしきスペースに閉じ込められた。
だが、逃げるチャンスは何度もあった。
なんと言っても犯人は、六~七十代の老人ひとり。
しかも、『黙ってついて来ないなら、ナイフを持って幼稚園に押し入り園児たちを殺すぞ!』と訳のわからない脅し文句を言う。