愛を教えて ―番外編―
「あの、これからどうするんですか?」
「警察に行くよ。自首せんとならんだろう」
「父は冷酷な経営者かも知れませんが、卑怯者じゃありません。正々堂々と戦って叩きのめすのと、人を陥れて足蹴にすることは違います。僕が父に話しますから、だから三浦さんも早まったことは……」
結人の言葉に老人は、不思議そうな表情で顔を上げた。
「そう言えば……わしは名前を名乗ったかな?」
「あ、それは」
「三浦鉄工。事務所に社名入りの封筒やら請求書やらが落ちていたし、門柱に傾いた看板が下がっていたもの」
結人が答えるより早く、美月が説明した。
いつものことなのでそれ以上は言わず、結人は、
「さっきのタクシーで僕らを送って行ってくれますか? ちょっと待ってもらえたら、父も必ず話を聞いてくれると思いますので」
「それは……構わんが。君らは本当に中学生かね?」
階段を下まで降り切ったとき、老人はそんな質問をする。
それに結人が答えようとしたとき、工場内に爆音が轟いた。
「警察に行くよ。自首せんとならんだろう」
「父は冷酷な経営者かも知れませんが、卑怯者じゃありません。正々堂々と戦って叩きのめすのと、人を陥れて足蹴にすることは違います。僕が父に話しますから、だから三浦さんも早まったことは……」
結人の言葉に老人は、不思議そうな表情で顔を上げた。
「そう言えば……わしは名前を名乗ったかな?」
「あ、それは」
「三浦鉄工。事務所に社名入りの封筒やら請求書やらが落ちていたし、門柱に傾いた看板が下がっていたもの」
結人が答えるより早く、美月が説明した。
いつものことなのでそれ以上は言わず、結人は、
「さっきのタクシーで僕らを送って行ってくれますか? ちょっと待ってもらえたら、父も必ず話を聞いてくれると思いますので」
「それは……構わんが。君らは本当に中学生かね?」
階段を下まで降り切ったとき、老人はそんな質問をする。
それに結人が答えようとしたとき、工場内に爆音が轟いた。