愛を教えて ―番外編―
まだ昼前である。

あたり前だが仕事は終わりじゃない。近くまで寄ったついでに万里子の顔を見て、一緒に昼食でも食べようと考えただけだった。


万里子は祖母上のガーデンルームでお茶を飲んでいる。

そう聞いてやって来たら、雪音とふたりとんでもない話をしているところに出くわしてしまった。


卓巳もショックだが、宗などはにわかに青ざめている。


「た、卓巳さん? どうなさったんですか? お仕事は」

「かっ……硬くて、太いだけでは不満か? 丈夫で長持ちなら結構なことじゃないか。そんなにテクニックが必要なのか? しかも、よりにもよって宗に教えを請うなど。正気の沙汰じゃない! 僕は君にそこまでして、テクニックなど磨いて欲しくはないっ!」


< 132 / 283 >

この作品をシェア

pagetop