愛を教えて ―番外編―
「そうだな……君にはピンクも似合うと思う。この花柄のワンピースもキュートだろう?だが、こっちのビキニを見てくれ。この光沢! ピンク一色のシンプルなデザインで、上下とも紐で結ぶタイプなんだ。フリルは一段なんだが、このひらひら感がなんとも……」


どうやら卓巳は、ビキニとフリルが好きらしい。

頬を赤くして熱弁を振るっていた卓巳だが……。万里子の困り果てた表情に、今度は顔面蒼白になっている。

万里子は首が折れそうなほどうつむき、そして、卓巳に言った。


「本当に、誰もいないんですね?」

「あ、ああ。誰もいない。僕だけだ。あ、いや、僕もいないほうがいいとか言われたら……」


急にショボンとするので万里子は慌てて付け足した。


「そんなこと、言ってません。……わかりました。どれを着るかは自分で決めていいですか?」

「ああ、もちろんだよ! 僕は、君と泳げたらそれでいいんだ」


卓巳は目をキラキラと輝かせて答えた。


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