愛を教えて ―番外編―
万里子のために、と極力照明を落としてもらった。

有名なライトアップデザイナーによる間接照明は、ことさら、ふたりのキスを盛り上げてくれた。

万里子を強く抱き締めすぎないように気遣い……強弱をつけて、何度も何度も唇を押し当てる。

そのまま頬に口づけ、左の耳までの道筋を舌でなぞった。卓巳は思わず、耳たぶを舌先で軽く舐め上げる。


「きゃ! やぁん」


万里子が身を竦め、腰を引いた瞬間……バスタオルが床に落ちた。


「……まりこ……」


卓巳の声が上ずっている。


「どうして……これを……」

「だって、卓巳さんが一番好きって言ったから」


万里子が身につけていたのは、白いビキニだった。


卓巳のために、万里子はかつてないほど肌を露出している。

官能的に見えてもおかしくない水着なのに、万里子が着るとまるで修道服のように清楚な印象をかもし出す。

陽射しから隠すことが多いせいだろうか、万里子の肌は象牙色に艶めいていた。

折れそうなほどくびれた腰が、惜しげもなく卓巳の目に晒され……しかも、独占状態だ。


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