愛を教えて ―番外編―
卓巳は呼吸も忘れ、瞬きもせずに見つめていた。


「卓巳さん……あんまり見ないでください」

「ああ、ダメだ、動かないでくれ……まだ目に焼き付けただけなんだ。今、長期記憶に移動させてる。君の姿を死んでも忘れたくない」

「ダ、ダメです。こ、これは嘘ですからっ!」

「……嘘?」


万里子は胸元を押さえながら恥ずかしそうに言った。


「わたし、こんな谷間なんてできません。その……卓巳さんが優秀な水着を用意してくださったので、それだけなんです。だから……」

「水着にも、優秀とそうでないのがあるのか?」

「あ、あります。以前は下着が主にそうでしたけど、最近は水着も随分優秀みたいです」

「そうなのか……万里子、触って確かめてみたい」

「え!?」 

「い、いや、妙は意味ではなくて、その優秀というのがどういうものなのか……一度触ってみたい、というか……」


卓巳はしどろもどろになりつつも、更なる期待を籠めて、万里子をジッと見つめる。


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