愛を教えて ―番外編―
「はじめまして。美馬です。家内から話は聞いています。いつもお世話になってるようで……」
「いえ。こちらこそ、先日はうちの大樹が北斗くんに怪我をさせてしまって。申し訳ありませんでした」
「怪我……ああ。……いえ、お気になさらず」
藤臣の目に一瞬だが疑問の色が浮かんだ。そのことに目ざとく気づいた万里子は、愛実が怪我の理由すら話していなかったことを知る。
「しかし……瀬崎の奥さんが藤原本社に勤めていたことは聞いてましたが、まさか、社長夫人から連絡があるとは思いませんでした」
「厚かましくてすみません。どうしてもお会いしていただきたくて、瀬崎さんの奥様にお願いしました。どうか、お叱りにならないでくださいね」
太一郎に輪をかけて……といった卓巳の言葉から、藤臣に対して危険な男性という印象を持っていた。
だが、万里子の目の前にいる藤臣は洗練された好男子に見える。
それだけじゃなく、身に纏う雰囲気は卓巳によく似ていた。おそらく、企業のトップに通じるものなのだろう。
「それで、幼稚園か小学校で何かありましたか?」
「え? 用件を瀬崎さんの奥様からお聞きになられたんですか?」
「いえ。でも、デートのお誘いじゃないでしょう?」
「いえ。こちらこそ、先日はうちの大樹が北斗くんに怪我をさせてしまって。申し訳ありませんでした」
「怪我……ああ。……いえ、お気になさらず」
藤臣の目に一瞬だが疑問の色が浮かんだ。そのことに目ざとく気づいた万里子は、愛実が怪我の理由すら話していなかったことを知る。
「しかし……瀬崎の奥さんが藤原本社に勤めていたことは聞いてましたが、まさか、社長夫人から連絡があるとは思いませんでした」
「厚かましくてすみません。どうしてもお会いしていただきたくて、瀬崎さんの奥様にお願いしました。どうか、お叱りにならないでくださいね」
太一郎に輪をかけて……といった卓巳の言葉から、藤臣に対して危険な男性という印象を持っていた。
だが、万里子の目の前にいる藤臣は洗練された好男子に見える。
それだけじゃなく、身に纏う雰囲気は卓巳によく似ていた。おそらく、企業のトップに通じるものなのだろう。
「それで、幼稚園か小学校で何かありましたか?」
「え? 用件を瀬崎さんの奥様からお聞きになられたんですか?」
「いえ。でも、デートのお誘いじゃないでしょう?」