愛を教えて ―番外編―
卓巳が今日着ている水着も、宗に調達させたものだ。


『大人のデートをコンセプトに、社長の水着も決めておきました』


宗はそんなことを口にしながら思わせぶりに笑っていた。自分はなんでもいい、と思いつつ……用意された水着を目にして、卓巳は唖然とする。


なんとビキニタイプ! しかも黒だ!


『おい、私はホストでも芸能人でもないぞ』


そんな卓巳のクレームに、『社長が肌を隠されたら、万里子様も決断できませんよ。まずは、ご自身が思い切るべきです!』などと答えた。

宗にすれば……本気半分、冗談半分の忠告だったが、卓巳は真に受けたのである。  


しかし、それもあながち外れではなく……。


(卓巳さんて……着やせするほうなんだわ)


万里子も卓巳のこの上なくセクシーな水着姿に驚きつつ、ドキドキしていた。

いきなり触りたいなどと言われて戸惑ったが……手を引かれ、プールに入ったときは卓巳が傍にいてくれることにホッとしていた。

かすかに触れる卓巳の肌の温かさが、万里子の気分を高揚させる。

なんといっても、今日の卓巳は目のやり場に困ってしまう。

卓巳の身体の様々な状況を考えたとき、


(あんなに立派そうなのに……)


思わず胸に浮かんだ言葉を、慌てて打ち消す万里子だった。


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