愛を教えて ―番外編―
(15)素敵な家族計画
雪音はスロープを通って夫のいる場所まで下りて行く。
まさかこんな所で、夫のかつての恋人、志賀香織に会うとは思ってもみなかった。
「お久しぶりです。私のこと覚えておられますか?」
「ええ……もちろんです。その節は、主人がお世話になりました」
立場的にどちらが上というものではない。
だが雪音の脳裏に、ふたりの絡み合う写真が浮かび……ついでに色々なことも思い出す。七年前、他の女とはすべて手を切ったと嘘をつき、二股も三股も四股もかけてくれたという色々なことを。
雪音は彼女の顔を見たとたん、その頃の怒りがフツフツと甦ってきた。
「まあ、四人目は男の子さんなのね。若い奥様と結婚されて、お幸せね」
香織のところは理想的と言われる一姫二太郎らしい。
「香織さんも会社を移って割りとすぐに結婚されたんですね。お嬢さんは……幼稚園ですか?」
「ええ、そうなの。翌年の三月に結婚したので、六年かしら」
雪音が宗と結婚したのも六年前の三月……なんという偶然だろう。
まさかこんな所で、夫のかつての恋人、志賀香織に会うとは思ってもみなかった。
「お久しぶりです。私のこと覚えておられますか?」
「ええ……もちろんです。その節は、主人がお世話になりました」
立場的にどちらが上というものではない。
だが雪音の脳裏に、ふたりの絡み合う写真が浮かび……ついでに色々なことも思い出す。七年前、他の女とはすべて手を切ったと嘘をつき、二股も三股も四股もかけてくれたという色々なことを。
雪音は彼女の顔を見たとたん、その頃の怒りがフツフツと甦ってきた。
「まあ、四人目は男の子さんなのね。若い奥様と結婚されて、お幸せね」
香織のところは理想的と言われる一姫二太郎らしい。
「香織さんも会社を移って割りとすぐに結婚されたんですね。お嬢さんは……幼稚園ですか?」
「ええ、そうなの。翌年の三月に結婚したので、六年かしら」
雪音が宗と結婚したのも六年前の三月……なんという偶然だろう。