愛を教えて ―番外編―
(それにしても……真もえらく高嶺の花を)
感心半分、残りは呆れつつ、
「おはよう。今日は、お父さんは一緒じゃないのかな?」
「パパはお仕事で九州にいるんです。今日は孝司おじさまと一緒です」
「それはすまなかったね。でも、藤原くんの家は賑やかだから寂しさは紛れるかな」
聡は膝を折り、視線の高さを美月に合わせて謝った。
「はい。それに真くんもいるから、寂しくないです」
美月はにっこりと笑う。
真は大好きな美月に頼りにされ、ウレシそうに浮かれているが……。
(女の子はこういうものなのか? どっちにしても真の手に負える子じゃなさそうだな)
少しだけ、息子を不憫に思う聡だった。
真が他の同級生たちと園庭に走っていくと、取り残された感のある聡の腕に、華奢な腕が巻きついた。
「今日はお兄ちゃんがいないから、お父さんと一緒にいてあげるね」
十歳の桜が聡の腕にぶら下がっている。
感心半分、残りは呆れつつ、
「おはよう。今日は、お父さんは一緒じゃないのかな?」
「パパはお仕事で九州にいるんです。今日は孝司おじさまと一緒です」
「それはすまなかったね。でも、藤原くんの家は賑やかだから寂しさは紛れるかな」
聡は膝を折り、視線の高さを美月に合わせて謝った。
「はい。それに真くんもいるから、寂しくないです」
美月はにっこりと笑う。
真は大好きな美月に頼りにされ、ウレシそうに浮かれているが……。
(女の子はこういうものなのか? どっちにしても真の手に負える子じゃなさそうだな)
少しだけ、息子を不憫に思う聡だった。
真が他の同級生たちと園庭に走っていくと、取り残された感のある聡の腕に、華奢な腕が巻きついた。
「今日はお兄ちゃんがいないから、お父さんと一緒にいてあげるね」
十歳の桜が聡の腕にぶら下がっている。