愛を教えて ―番外編―
パッ!! とふたりの上から全開になった直接照明が降り注ぐ。

万里子は驚いて卓巳の胸に顔を隠した。


「社長! あなたは一体何を考えているんですか!?」


それは宗の声だった。

卓巳は一瞬『邪魔をするな』と叫びそうになったが、


「お忘れのようなのでお伝えしておきますが、ここは公共の場所で、安全管理のためビデオカメラが設置されています。プールサイドを人払いされても、全部筒抜けな上、防犯のため録画までされております。思い出していただけましたか?」


宗は、スパの管理事務所から『社長がとんでもないことをしている』と聞かされ、飛んできたのだ。


「あ……」


卓巳は思い出したのかそれ以上言葉が続かない。


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