愛を教えて ―番外編―
「何を言い出すんだっ!!」
人生最大の失態をこんな場所で言われ、もし万里子の耳にでも入れば……と思うと、慌てて周囲を見回した。
「合コンなんて人聞きの悪いことを言うなっ! 私はお前たちの合コンに偶然居合わせただけで……それで、向こうのほうがだな……」
しどろもどろになりつつ、言い訳をしてみる。
あの時は、医者から治療をしなければ自然治癒の望みがないなどと言われ、ショックを受けていた。そこを藤臣たちにからかわれ、意地になって女の誘いに乗ったのだ。
「でもお前、彼女に気があったんだろ?」
同じ大学ではなかったと思う。だが、かなり優秀な女子大学の学生と聞いた気がする。たびたび構内で見かけて、目立つ美人だと思った。
ちょうど異性に興味を持ち始めた時期と重なり、ついついホテルに入ってしまったが……今思えば顔も思い出せない。
「ひょっとして、お茶女って信じてたのか?」
「……違うのか?」
言われて思い出したが、そんな大学名だったような、と卓巳考え込んだとき、藤臣は吹き出した。
人生最大の失態をこんな場所で言われ、もし万里子の耳にでも入れば……と思うと、慌てて周囲を見回した。
「合コンなんて人聞きの悪いことを言うなっ! 私はお前たちの合コンに偶然居合わせただけで……それで、向こうのほうがだな……」
しどろもどろになりつつ、言い訳をしてみる。
あの時は、医者から治療をしなければ自然治癒の望みがないなどと言われ、ショックを受けていた。そこを藤臣たちにからかわれ、意地になって女の誘いに乗ったのだ。
「でもお前、彼女に気があったんだろ?」
同じ大学ではなかったと思う。だが、かなり優秀な女子大学の学生と聞いた気がする。たびたび構内で見かけて、目立つ美人だと思った。
ちょうど異性に興味を持ち始めた時期と重なり、ついついホテルに入ってしまったが……今思えば顔も思い出せない。
「ひょっとして、お茶女って信じてたのか?」
「……違うのか?」
言われて思い出したが、そんな大学名だったような、と卓巳考え込んだとき、藤臣は吹き出した。