愛を教えて ―番外編―
藤臣は今までにないほど優しい顔で笑う。
「ひとりで家族を守ろうとしていた。君のことも……。でも愛実、君は私のパートナーなんだ。一緒にやって行こう。私は、ひとりで思い込んで、突っ走る癖がついている。でも、少しは成長したつもりだ。これからは、ふたりで手を取り合って、子供たちを守って行こう」
愛実は藤臣の胸に飛び込むと、体に手を回した。ギュッと抱きつき、「はい」と答える。
出会った頃と変わりなく、愛実にとって藤臣は人生のすべてだ。過酷に思えた彼との出会いが運命を変え、愛実に幸福をもたらしてくれた。今もそう信じている。
物音ひとつしない部屋で藤臣の鼓動だけが耳に聞こえた。
次の瞬間、藤臣にキスされて……ほんの一瞬、愛実は子供たちの存在も忘れ、応えていた。
「夏休みには沖縄に行こう」
長いキスの後、ふいにそんなことを言われて愛実はビックリする。
「でも、去年は休みなんて……」
藤臣は困ったように笑いつつ、
「去年は本当にギリギリだったんだ。でも、いつまでも崖っぷちにいるほど、役立たずじゃないつもりだぞ」
愛実が慌てて“ごめんなさい”と言いかけたとき、スッと彼の唇が愛実のセリフを押さえ込んだ。
「ひとりで家族を守ろうとしていた。君のことも……。でも愛実、君は私のパートナーなんだ。一緒にやって行こう。私は、ひとりで思い込んで、突っ走る癖がついている。でも、少しは成長したつもりだ。これからは、ふたりで手を取り合って、子供たちを守って行こう」
愛実は藤臣の胸に飛び込むと、体に手を回した。ギュッと抱きつき、「はい」と答える。
出会った頃と変わりなく、愛実にとって藤臣は人生のすべてだ。過酷に思えた彼との出会いが運命を変え、愛実に幸福をもたらしてくれた。今もそう信じている。
物音ひとつしない部屋で藤臣の鼓動だけが耳に聞こえた。
次の瞬間、藤臣にキスされて……ほんの一瞬、愛実は子供たちの存在も忘れ、応えていた。
「夏休みには沖縄に行こう」
長いキスの後、ふいにそんなことを言われて愛実はビックリする。
「でも、去年は休みなんて……」
藤臣は困ったように笑いつつ、
「去年は本当にギリギリだったんだ。でも、いつまでも崖っぷちにいるほど、役立たずじゃないつもりだぞ」
愛実が慌てて“ごめんなさい”と言いかけたとき、スッと彼の唇が愛実のセリフを押さえ込んだ。