愛を教えて ―番外編―

(21)仲良きことは―藤原

「あっ……そこ、待ってくれ万里子……強すぎだ」

「なぁに? これくらいで?」


万里子は卓巳の上に跨り、耳もとに口を寄せると甘えるような声で言った。

卓巳には懇願することしかできない。


「頼むよ。今日は本当につらいんだ。もう、歳だって認めるから……。優しくしてくれ」

「美馬さんに張り合って無理するからよ……じゃあ、これくらいでいい?」


随分楽になり卓巳はホッと息を吐く。


「ああ……いい……最高だ」


素肌に触れる万里子の指先が堪らなく心地よい。


「ねえ、卓巳さん。あとで、わたしのことも気持ちよくしてね」


可愛い声で言われたらなんでもしてやりたくなる。


「もちろんだ。次は君の番。僕のテクニックをご披露しようかな」

「きゃ! やだ、もう……卓巳さんたら」


卓巳が起き上がろうとすると、背中から万里子が転げ落ちた。


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