愛を教えて ―番外編―
「あ……ん、やだ、そんな強くしないで」


万里子の声にハッと我に返る。

思わず力を入れてふくらはぎを揉んでいたようだ。力加減を緩めるのと同時に、卓巳の中にイタズラ心が芽生えた。

指を太ももに移動させ、さらに上を目指していく。


「ここもかなり凝ってますね、奥さま」

「もう、卓巳さんたら……そこは凝ってません!」


ヒップの辺りを軽く揉むと万里子は柔らかい抗議の声をあげた。

本当に怒ってはいないらしい。そう思うと、ますます卓巳は調子に乗り始める。


「いや、この辺りなんかトクに……」


そんなことを言いながら狭い隙間に指を進める。


「あ……やん。そこは……」

「凝ってない? じゃあ別の場所を揉みほぐそうか?」


もう片方の手をキャミソールの前に回し、柔らかい胸に触れた。


かつての万里子ならいくら卓巳の前だけとはいえ、これほど露出度の多いものは着てくれなかった。でも最近は寝室限定ではあるものの、卓巳の希望に合わせ色々な格好をしてくれる。

ときには思い出のフリルのモノトーンビキニを着て、あのときの続きを楽しんだことも……。
 

< 263 / 283 >

この作品をシェア

pagetop