愛を教えて ―番外編―
『男の子が産まれるってことは、嫁さんを感じさせてるってことだからな。お前も不満はないんだろう? よかったじゃないか、相性抜群で。程々っていうのができないなら、男が続くのは諦めろ』


その後小さな声で『――まあ、気休め程度だが』そう付け足した言葉など卓巳の耳には入っていない。



「手を抜くのは主義じゃない。君を感じさせるあまり男の子ばかりになってしまうが、どうか勘弁してくれ」


卓巳が真剣な顔で謝ると、万里子はシーツに顔を埋め、なぜか笑っていた。


「それを聞いたら、雪音さんが怒るかもしれないわ」

「宗はああ見えてたいしたことないんだろう。いや、雪音くんには言うなよ」


振り返った万里子の唇にキスしながら、卓巳はパジャマの下も脱いでいく。


「じゃあ、今夜も手は抜かないでね。卓巳さん……愛してる」

「もちろん、マッサージ以外にも最高のテクニックを証明しよう――但し、君限定だが」 


そして、卓巳の指は万里子のショートパンツをゆっくりと下ろした。


「愛してるよ、万里子」


情熱を込めて囁き……。


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