愛を教えて ―番外編―
美馬は妻の言葉を聞くなり、結人を見る目が変わった。
「藤原……次男の轍は踏まないように、息子たちは厳重に管理しておけよ。うちの娘に妙な真似をしたら……ただじゃ済まさんぞ」
「女子高生を孕ませて嫁さんにした男に言われてもな……」
「藤原っ!?」
「わかった、わかった」
卓巳は軽くかわしながら、妻たちのあとを追うように母屋に戻る。
さすがに卓巳たちのときのようにガーデンパーティは辛い。披露宴は母屋の大広間を使う段取りになっていた。
ところが……少し先で列席者の足が止まり、一方向を見て小さな笑い声が上がった。
美馬と顔を合わせ、首を捻っていると、そんな卓巳を見つけて宗が走り寄る。
「社長……あの……止めてきたほうがよろしいですか?」
「なんだ? どうしたというんだ?」
「はあ……」
歯切れの悪い宗を押し退け、人混みを掻き分け最前列に出たとき――離れの窓越しに、熱烈なキスシーンを披露する新郎新婦の姿が目に飛び込んできた。
「藤原……次男の轍は踏まないように、息子たちは厳重に管理しておけよ。うちの娘に妙な真似をしたら……ただじゃ済まさんぞ」
「女子高生を孕ませて嫁さんにした男に言われてもな……」
「藤原っ!?」
「わかった、わかった」
卓巳は軽くかわしながら、妻たちのあとを追うように母屋に戻る。
さすがに卓巳たちのときのようにガーデンパーティは辛い。披露宴は母屋の大広間を使う段取りになっていた。
ところが……少し先で列席者の足が止まり、一方向を見て小さな笑い声が上がった。
美馬と顔を合わせ、首を捻っていると、そんな卓巳を見つけて宗が走り寄る。
「社長……あの……止めてきたほうがよろしいですか?」
「なんだ? どうしたというんだ?」
「はあ……」
歯切れの悪い宗を押し退け、人混みを掻き分け最前列に出たとき――離れの窓越しに、熱烈なキスシーンを披露する新郎新婦の姿が目に飛び込んできた。