愛を教えて ―番外編―
万里子が膝を揃えた状態で腰を下ろすが、卓巳の塊はつるんと滑り、とても中に納まりそうにない。

何度か挑戦するものの、湯の中でピンポイントを狙うのは中々難しい芸当だった。


「ゴメン、万里子……あの」


自慢にもならないが、バックからだといまだに位置を間違えそうになる卓巳だ。


(湯船で愛し合おうなんて、無謀なチャレンジだったのか……?)


卓巳の声はドンドン小さくなり、いきり立った下半身も同じく挫けそうになる。

そんなとき、助け舟を出してくれたのは万里子だった。


「ちょっと……待って、卓巳さん」


万里子は恥ずかしそうにしながら、すっと脚を開くと、彼女から卓巳に跨ったのだ!

さらに……万里子の手が卓巳の下腹部に伸び、しっかりと掴み……その上にゆっくり腰を沈めていく。


そして、万里子の“手ほどき”に、萎えかけた卓巳の相棒は俄然ヤル気を取り戻した。

近頃の万里子は、電気を消した中で一緒にシャワーを浴び、色々楽しむまでにはなったが……。

ふたりが湯船でひとつになったのは初めての経験だった。


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