愛を教えて ―番外編―
しかし、向き合って座った状態で……万里子は目を閉じ、きつく眉根を寄せている。

卓巳は心配になり、


「万里子、苦しいなら抜こうか?」

「いえ……大丈夫です。ただ、いつもより奥に当たって……。卓巳さんは、気持ちいいですか?」

「ああ、最高だ。それに……君の可愛い顔が見えるのも、最高に嬉しい」


そう言うと、少しずつ腰を揺らした。

万里子もいつもと違う体位に興奮しているのかもしれない。卓巳が動くたび、彼女の中は引き絞られるように感じる。お湯の影響もあるのだろうだが、溢れ出す液体まで熱く感じた。

その上、万里子の開いた太腿に腰を締められ……。目に映る万里子の姿だけで、卓巳は軽く昇天してしまいそうになる。


「君のこんな姿を見たのは初めてで……すごく、そそられる。コイツに触ってくれたのも、初めてだし……」

「だって、夫婦だし……もう、卓巳さんのイジワル」


万里子は恥ずかしそうに、卓巳にギュッと抱きつき――。その刺激は瞬く間に卓巳を追い詰め、彼は呻き声と共に白旗を振った。



春の夜……ふたりは心ゆくまで夫婦水入らずを楽しむのだった。



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