愛を教えて ―番外編―
「僕は違う! セーラー服に興味はない。僕の興味はすべて、万里子、君だけだよ」

「あ、ごめんなさい。私もつい、むきになってしまって……」


互いの表情がほぐれ、しっとりとしたムードが流れたとき、



『あぁーん! そこぉ、もっと突きあげてぇ~』



経験の少ない卓巳でもわかりそうな、白々しい女のセリフが聞こえた。

卓巳は舌打ちしつつ、


「まったく……ちょっと待ってくれ、すぐに消すから」


リモコンに手を伸ばしかけた卓巳だったが、その一方で、万里子のほうはジッと画面をみつめている。


「万里子?」

「あ、いえ……あの……こういうの……卓巳さんもしたいですか?」


“こういうの”とはたぶん、女性が上に乗る体位のことだろう。

ハネムーンでようやく復活した卓巳だが、騎乗位という名前くらいは知っている。滞在先のホテルでは様々な場所で試みたものの、結局は正常位だけだった。

むしろそれより、はしゃぎすぎて、帰国前夜に万里子からイエローカードを突きつけられた苦い記憶が甦る。


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