愛を教えて ―番外編―
万里子の声に卓巳はしかたなく画面に視線を戻す。


『ここまで撮るなんて言ってないのにぃ』

『うそつけ。欲しそうにしてただろ――おら、上になって腰ゆすれよ』


いつの間にか画面の男女はベッドの上で合体していた。

どうやら、“ひとりエッチ”中の女子高生に興奮して、圧し掛かった感じの設定らしい。上に乗っていた中年男が身体を起こし、胡坐をかく格好になった。

当然、合体したままなので女子高生も引っ張り上げられる。

向き合った体位から、中年男が仰向けになり……。



「なるほど。いつもの……から、僕が座ったあと、寝転がればいいんだ!」

「そ、そうみたいですね」

「どうだい、万里子? あれくらいなら、できそうだと思わないか?」


卓巳はそう言うと、万里子のスカートに手をかけた。


きっちりとカーテンを閉めても、室内はハネムーン中のホテルのように真っ暗にはならない。

カーテン越しに薄明かりが射し込み、ボンヤリと明るかった。

全裸になることは万里子が嫌がり、結局、ふたりとも下だけ脱いで毛布の下で繋がる。


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