大事なモノ
〔原田さんが山城を好き〕って噂される前だったから話してしまった


悪い事したけど、今は納得させる材料になる


「あのさ、山城…」


「な、なんだよ」


「愛さ、告白出来ないみたいだから…アンタしてあげなよ」


「い、意味分かんねえ…」


夜道は光が少ないから見にくいけど、山城は赤くなっていた


「もちろん、山城が好きなら…だよ。そうでないのに告白したら怒る」


「だ、大体なんて東野がそんな事言うんだよ」


「愛が上手くいって欲しい以外にあるわけないでしょ?」


山城は黙りこんでしまった


余計な事してるってのは分かってる


愛がそんな事望んでない事も





いつもはそれなりに談笑する帰り道はずっと気まずい空気が漂った







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