愛を教えて ―背徳の秘書―
「いや、まさか……彼女に限ってこんな」
弔事用の白菊の花束に男性社員は絶句しつつ、そんな言葉をつぶやいていた。
朝美は聞き漏らさず、敏感に反応する。
「彼女ですって!? あなた、この花を持って来た女を知ってるのねっ」
朝美の剣幕に男性社員はタジタジになりながら答えた。
「病院の受付に名乗ったそうです。えっと……鈴本だったかな。総務の子ですよ。同じ総務で受付の子とよく一緒にいますね」
朝美はすぐに顔が浮かばなかった。
だが、記憶を辿っていくと……宗との結婚について質問してきた女性が総務だった。
思えば、この時初めてそんな噂があることを朝美は知ったのだ。
男性社員に尋ねると、どうやら、朝美に声をかけてきたのが鈴本薫《すずもとかおる》で、隣に立っていたおとなしそうな女性が、受付の山南京佳《やまなきょうか》と言うらしい。
だが、朝美の印象では、宗の結婚問題を気にしているのは京佳のほうに思えた。宗のセフレリストに受付嬢の名前はあった気がするが……相手は京佳ではなかったはずだ。
弔事用の白菊の花束に男性社員は絶句しつつ、そんな言葉をつぶやいていた。
朝美は聞き漏らさず、敏感に反応する。
「彼女ですって!? あなた、この花を持って来た女を知ってるのねっ」
朝美の剣幕に男性社員はタジタジになりながら答えた。
「病院の受付に名乗ったそうです。えっと……鈴本だったかな。総務の子ですよ。同じ総務で受付の子とよく一緒にいますね」
朝美はすぐに顔が浮かばなかった。
だが、記憶を辿っていくと……宗との結婚について質問してきた女性が総務だった。
思えば、この時初めてそんな噂があることを朝美は知ったのだ。
男性社員に尋ねると、どうやら、朝美に声をかけてきたのが鈴本薫《すずもとかおる》で、隣に立っていたおとなしそうな女性が、受付の山南京佳《やまなきょうか》と言うらしい。
だが、朝美の印象では、宗の結婚問題を気にしているのは京佳のほうに思えた。宗のセフレリストに受付嬢の名前はあった気がするが……相手は京佳ではなかったはずだ。