愛を教えて ―背徳の秘書―
「雪音さん! 大丈夫?」
救急車ではなく、雪音と宗はパトカーで病院まで送ってもらう。
そんな雪音の顔を見るなり駆け寄ったのは万里子だった。万里子はギリギリまで雪音の身に起こったことを知らせてもらえなかった。
雪音が線路に突き落とされた、という第一報で、万一のことを考えた卓巳の配慮である。
「どうしてこんな……」
万里子の非難のまなざしが宗に注がれる。
だが、彼にも訳がわからないのだ。
雪音が受付の山南京佳を見つけ、警察が職務質問したところ……彼女はしどろもどろで答えられなかった。そのため、参考人として警察に連れて行かれたのだ。
「じゃ、あの女性が雪音さんを?」
「それはわかりません。ふいに背中を押されたので、何も見てないんです。ただ、知った顔がホームにあって……それで」
万里子と雪音は示し合わせたように振り返り、宗を睨んだ。
救急車ではなく、雪音と宗はパトカーで病院まで送ってもらう。
そんな雪音の顔を見るなり駆け寄ったのは万里子だった。万里子はギリギリまで雪音の身に起こったことを知らせてもらえなかった。
雪音が線路に突き落とされた、という第一報で、万一のことを考えた卓巳の配慮である。
「どうしてこんな……」
万里子の非難のまなざしが宗に注がれる。
だが、彼にも訳がわからないのだ。
雪音が受付の山南京佳を見つけ、警察が職務質問したところ……彼女はしどろもどろで答えられなかった。そのため、参考人として警察に連れて行かれたのだ。
「じゃ、あの女性が雪音さんを?」
「それはわかりません。ふいに背中を押されたので、何も見てないんです。ただ、知った顔がホームにあって……それで」
万里子と雪音は示し合わせたように振り返り、宗を睨んだ。