愛を教えて ―背徳の秘書―
(20)最後の審判
話は堂々巡りであった。
鈴本薫は間違いなく山南京佳から聞いたと言い、宗はそれを否定した。物的証拠や証人もおらず、京佳と無関係である、と証明できない宗には著しく不利な状況だ。
また、日頃の行いもあるだろう。
薫が京佳から聞いたという宗の言動や情事に利用したホテル、盲腸の傷跡のみならず……男性器の形状やセックスの趣向まで薫の口から飛び出し、宗には訳がわからなかった。
「ですから、私はそう聞いただけです。京佳に言われたとおりに話してるだけよ! 彼女がかわいそう……」
「だから何度言われても、身に覚えはありません。山南くんとそんな関係になったことは一度もないんだ。もう、勘弁してください」
宗と薫、そして卓巳の三人で話をしていた。
場所は、卓巳が病院側に声をかけ、提供してもらった特別室の空き部屋である。
だが、いい加減卓巳も呆れたらしい。京佳の様子を確認してくると言い、部屋から出て行ってしまう。宗は慌てて廊下まで追うが……。
鈴本薫は間違いなく山南京佳から聞いたと言い、宗はそれを否定した。物的証拠や証人もおらず、京佳と無関係である、と証明できない宗には著しく不利な状況だ。
また、日頃の行いもあるだろう。
薫が京佳から聞いたという宗の言動や情事に利用したホテル、盲腸の傷跡のみならず……男性器の形状やセックスの趣向まで薫の口から飛び出し、宗には訳がわからなかった。
「ですから、私はそう聞いただけです。京佳に言われたとおりに話してるだけよ! 彼女がかわいそう……」
「だから何度言われても、身に覚えはありません。山南くんとそんな関係になったことは一度もないんだ。もう、勘弁してください」
宗と薫、そして卓巳の三人で話をしていた。
場所は、卓巳が病院側に声をかけ、提供してもらった特別室の空き部屋である。
だが、いい加減卓巳も呆れたらしい。京佳の様子を確認してくると言い、部屋から出て行ってしまう。宗は慌てて廊下まで追うが……。