愛を教えて ―背徳の秘書―
宗の声は雪音をからかっている。


「誰の……せいよ。やっ……もう、そこ……だめぇ」


下腹部に伸びる宗の手を、雪音は押さえようとした。だが、彼のほうが一瞬早く……ゆっくりと円を描き始める。


「あっ……んんっ……」


雪音は唇を噛み締めた。

彼の指はどうしてこんなにも、雪音の期待に応えてくれるのだろう。湯が波のように岩を打ち、彼女の肌に帰ってくる。


「さあ、こうしたら……我慢できるかな?」

「はぁうっ!」


宗の指先に翻弄され……雪音は彼の太腿に爪を立ててしまう。


「可愛いな、雪音は。ほら、降参して……入れて欲しいって言えよ?」

「だって……ぇ、人が、来た……ら、ぁんんっ」


懸命に首を振るが、下半身は言うことを聞かない。宗の指に合わせて、腰が動いてしまう。

耳元で宗のクスクス笑う声が聞こえる。


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