愛を教えて ―背徳の秘書―
別の意味で、女ふたりの間に火花が散っていることは明らかだ。
卓巳から朝美の爆弾発言で責められたばかりである。この分では、香織との関係まで卓巳にバレかねない。
過去はともかく、昨夜のことは非常に不味い。
『別れるから最後に一度だけ』
そんなことが言い訳にできるとは、宗も本気で思ってはいなかった。
そこに、予想外の形で助け舟が出される。
それは、社長夫人の万里子の言葉――。
「だったら、宗さんにお願いできないかしら?」
「え?」
全員が疑問符を口にする。
「卓巳さんにお時間があるのなら、わたしはここにいてもよろしいですか? 宗さんの車が出せるなら、雪音さんを連れて買いに行って来てくださらない? そのままお邸まで、ケーキと雪音さんをお願いね。卓巳さん……ダメかしら?」
万里子のお願いに「ノー」と言える卓巳ではなく。
社長夫人に逆らえる秘書はいないのであった。
卓巳から朝美の爆弾発言で責められたばかりである。この分では、香織との関係まで卓巳にバレかねない。
過去はともかく、昨夜のことは非常に不味い。
『別れるから最後に一度だけ』
そんなことが言い訳にできるとは、宗も本気で思ってはいなかった。
そこに、予想外の形で助け舟が出される。
それは、社長夫人の万里子の言葉――。
「だったら、宗さんにお願いできないかしら?」
「え?」
全員が疑問符を口にする。
「卓巳さんにお時間があるのなら、わたしはここにいてもよろしいですか? 宗さんの車が出せるなら、雪音さんを連れて買いに行って来てくださらない? そのままお邸まで、ケーキと雪音さんをお願いね。卓巳さん……ダメかしら?」
万里子のお願いに「ノー」と言える卓巳ではなく。
社長夫人に逆らえる秘書はいないのであった。