愛を教えて ―背徳の秘書―
(7)真昼の情事
「万里子、今のわざとだろう?」
「ばれちゃった?」
生成りのワンピースがふわりと揺れ、窓際で万里子は微笑んだ。
卓巳は宗に夕方五時までには戻るように伝え、雪音と共に社長室から追い出した。社長夫人のひと声に秘書室のふたりはすごすごと引き下がる。
朝美の思わせぶりな言動に、宗はそんなはずはない、と否定していたが……。
今ひとつ、女性関係については信用できない男だ。あの様子だと、香織にも手を出していたのかもしれない。
万里子はどこまで気づいたのかわからない。だが、あのまま雪音との仲を応援してよいものだろうか?
卓巳がそんな思案をしていると、
「雪音さんは宗さんのことを愛してるわ。宗さんも……だから」
「宗はあのとおりの男だぞ。雪音くんを幸せにできるんだろうか?」
万里子はクスッと笑って、
「卓巳さんて、お父様みたいな心配をするのね」
「ばれちゃった?」
生成りのワンピースがふわりと揺れ、窓際で万里子は微笑んだ。
卓巳は宗に夕方五時までには戻るように伝え、雪音と共に社長室から追い出した。社長夫人のひと声に秘書室のふたりはすごすごと引き下がる。
朝美の思わせぶりな言動に、宗はそんなはずはない、と否定していたが……。
今ひとつ、女性関係については信用できない男だ。あの様子だと、香織にも手を出していたのかもしれない。
万里子はどこまで気づいたのかわからない。だが、あのまま雪音との仲を応援してよいものだろうか?
卓巳がそんな思案をしていると、
「雪音さんは宗さんのことを愛してるわ。宗さんも……だから」
「宗はあのとおりの男だぞ。雪音くんを幸せにできるんだろうか?」
万里子はクスッと笑って、
「卓巳さんて、お父様みたいな心配をするのね」