愛を教えて ―背徳の秘書―
藤原邸の二階に卓巳の書斎がある。
何度となく出入りした部屋だ。しかし、今日は微妙な緊張感に包まれていた。
「これは……確かに私に違いありませんが」
認めたらおしまいである。宗はグッと唾を飲み込み、卓巳を見て言い返した。
「誤解です」
言い訳は、言葉にすればするほどボロが出る。
だが、卓巳も甘くはなかった。デスクの上に写真と怪文書を置いたきり、何も言おうとしない。
黙ったまま、宗から話すのを待っている。
「とにかく、社長。雪音さんと話をさせてください。私は本気で、松山でプロポーズするつもりなんです。本当に……それだけは」
間違いなく本心だった。
しかしたった今、朝美を抱いてきたのも事実だ。
そしてこの写真に写った事実も真実で……。
宗自身が望んだわけではない。ただ、差し出されたものを快楽と仕事のために利用してきた――それだけだった。
何度となく出入りした部屋だ。しかし、今日は微妙な緊張感に包まれていた。
「これは……確かに私に違いありませんが」
認めたらおしまいである。宗はグッと唾を飲み込み、卓巳を見て言い返した。
「誤解です」
言い訳は、言葉にすればするほどボロが出る。
だが、卓巳も甘くはなかった。デスクの上に写真と怪文書を置いたきり、何も言おうとしない。
黙ったまま、宗から話すのを待っている。
「とにかく、社長。雪音さんと話をさせてください。私は本気で、松山でプロポーズするつもりなんです。本当に……それだけは」
間違いなく本心だった。
しかしたった今、朝美を抱いてきたのも事実だ。
そしてこの写真に写った事実も真実で……。
宗自身が望んだわけではない。ただ、差し出されたものを快楽と仕事のために利用してきた――それだけだった。