愛を教えて ―背徳の秘書―
それまでとは違い、苦々しげに鼻を膨らませ、顎を突き上げて雪音を見くだす目だ。
雪音には自分の何がそれほど朝美を怒らせているのかわからない。
『そうよっ! セックスしながら、何度も愛してるって言われたわ! あの男の車でするのも大変よね。次の日痣だらけになって……あの男はね、セックスさえできたら誰でもいいのよっ! わかった!?』
髪を振り乱して叫ぶ姿はまるで山姥のようだ。
加えて、あまりにストレートな物言いに雪音は返す言葉もない。
『他の女って、うちの派遣秘書の志賀香織じゃないの? しつこい女で困ってるって言ってたわ。あら、でもあなたの名前は聞いたことがないわね。セフレの頭数にも入ってないのね、可哀想に』
そう言うと朝美はわざとらしく声を立てて笑う。
雪音は朝美のことをあずさと同じタイプだと思っていた。
だが、この本性を隠した変わり身の早さは、さすが社長秘書というべきか。卓巳が彼女の人格に目を瞑っても、重用するだけのことはある。仕事もきっとできる女なのだろう。
とはいえ、いくら宗の下半身に人格がなくても、この女が本命だとは思えない。
『ええ、そうね。私はセフレじゃないから、頭数には入ってないと思うわ。他の女の話なんかしたら、タダじゃ済まさないもの』
雪音には自分の何がそれほど朝美を怒らせているのかわからない。
『そうよっ! セックスしながら、何度も愛してるって言われたわ! あの男の車でするのも大変よね。次の日痣だらけになって……あの男はね、セックスさえできたら誰でもいいのよっ! わかった!?』
髪を振り乱して叫ぶ姿はまるで山姥のようだ。
加えて、あまりにストレートな物言いに雪音は返す言葉もない。
『他の女って、うちの派遣秘書の志賀香織じゃないの? しつこい女で困ってるって言ってたわ。あら、でもあなたの名前は聞いたことがないわね。セフレの頭数にも入ってないのね、可哀想に』
そう言うと朝美はわざとらしく声を立てて笑う。
雪音は朝美のことをあずさと同じタイプだと思っていた。
だが、この本性を隠した変わり身の早さは、さすが社長秘書というべきか。卓巳が彼女の人格に目を瞑っても、重用するだけのことはある。仕事もきっとできる女なのだろう。
とはいえ、いくら宗の下半身に人格がなくても、この女が本命だとは思えない。
『ええ、そうね。私はセフレじゃないから、頭数には入ってないと思うわ。他の女の話なんかしたら、タダじゃ済まさないもの』