大嫌いだから、ね? ③
1
雨音がする。
赤い傘に、大粒の雨があたって、はじく音。
六月、梅雨入り。
公園の花壇では、薄紫色の、アジサイの花がしっとりとぬれている。
「・・・」
腕時計に目を落とす。
もう少し、あと三分だけ待とう。と思っていた時間から、すでに五分経過。
かなり急がないと、電車に間に合わなくなる。
私は公園の向こうに建つマンションに目をやった。
そこから走ってくる人影はない。
今日で三日目だ。
彼はこない。
いつもは私が来るより先に、公園の入り口のところで待っていてくれてるのに。
どうしたんだろう?
気になる。
携帯のアドレス聞いておけばよかった。でも、携帯持っているかも知らない。
「いかなきゃ、ね」
私は、歩き出した。
もう少し待ったら、もしかしたら・・・と後ろ髪引かれる気持ちもあるけれど、これ以上電車を遅らせたら、完全に遅刻だ。
赤い傘に、大粒の雨があたって、はじく音。
六月、梅雨入り。
公園の花壇では、薄紫色の、アジサイの花がしっとりとぬれている。
「・・・」
腕時計に目を落とす。
もう少し、あと三分だけ待とう。と思っていた時間から、すでに五分経過。
かなり急がないと、電車に間に合わなくなる。
私は公園の向こうに建つマンションに目をやった。
そこから走ってくる人影はない。
今日で三日目だ。
彼はこない。
いつもは私が来るより先に、公園の入り口のところで待っていてくれてるのに。
どうしたんだろう?
気になる。
携帯のアドレス聞いておけばよかった。でも、携帯持っているかも知らない。
「いかなきゃ、ね」
私は、歩き出した。
もう少し待ったら、もしかしたら・・・と後ろ髪引かれる気持ちもあるけれど、これ以上電車を遅らせたら、完全に遅刻だ。
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