大嫌いだから、ね? ③
こんな雰囲気の中、まっすぐ立ち続けている彼女はなんだか、すごいなぁと妙な関心をしつつ、それにしても、初対面のはずなのに、私に何の用事なんだろう。
疑問が頭の中を、くるくる回る。
「とりあえず、でましょう?」
「まって、私もいくっ!」
理佳があわてて立ち上がろうとしたけど、私はそれを制した。
「理佳、すぐに戻ってくるから、まってて、お願い」
彼女の用事があるのは私で、誰かに付き添ってもらうのは変だとおもったから。
「でも・・・」
「大丈夫、行ってくるね」
私は彼女の先に立って、机の間を縫うようにして、教室の外に出た。
彼女は距離を保って、私についてきた。