大嫌いだから、ね? ③
7
夢と現実の間を、さまよっていたような・・・
電子音の終了の合図に、脇の下から取り出した体温計を見て、私はほっと息を吐いた。
微熱だ。
雨にぬれたせいなのか、それとも、光くんにうつされたのか、何年かぶりに風邪をひいた。でも、人にうつされる方が重いのだとしたら、彼からかもしれない。
風邪で意識をなくし寝込んだことなんて、今までなかったのに、カレンダーを見て、寝込んで三日目なのだと確認する。驚きだ。
どうやって、家のベッドに寝かされたのかも定かではなくて・・・発熱してからの記憶も正直、定かではない。
いつから熱があったのだろう? 朝から、昼休み? 記憶はパズルのピースのように断片的だ。
熱に浮かされながらも、お母さんが何度か部屋を出入りするのと、机の上の鞄の中から、携帯メールの着信音が何度もなっていたのだけは覚えている。
ようやくベッドで半身を起こせるようになった。
まだけだるい感じがするのは、微熱がまだあるのと、寝すぎたためだろう。
頭がはっきりするもの、飲みたい。コーヒーはだめかな?
だったら、ハーブティ。ミント? セージもいいかも。
フレッシュがいいから、お母さんに取ってきてもらって入れてもらおう。
梅雨の雨にぬれて、青々としたスペアミントと、アップルミント、セージを思い浮かべていたら、携帯が鳴った。
メールの着信音だ。数秒お知らせして、音が止まる。
受信メールたまっているよね。
返信するかな? それなら、ベッドの中ででもできるし・・・。