大嫌いだから、ね? ③
 
 一番初めのメールは理佳からだった。



 ---身体大丈夫? やっぱり、熱あったんだ。

 心配。

 あと、陽菜がまとめてた用紙は、同じ生徒会役員の長岡くんに渡したよ。

 なにも心配しなくていいから、ちゃんと風邪治してね。無理はだめだよ。

 また、メールするね。




 それを裏付けるかのような長岡くんと、会長からのメールがつづいてた。



 ---陽菜さんの案は会長たちに提出しました。なぜか会長たち、爆笑して、妙に感心していました。陽菜さんの案に決まりそうです。風邪、お大事に。早く良くなるよう願っています。



 ・・・わたしの案? なに? 爆笑って?



 ---陽菜が風邪をひくなんて珍しい。くれぐれも無理はしないように、ゆっくりと休みなさい。

 陽菜の案、なかなかいいわ。特に鬼ごっこなんて。やはり、追われるよりも追い詰めて捕まえる方が、楽しいものね。

 あとは、私達で詰めておくので、楽しみにしていてね。では、またね。



 はい??? 鬼ごっこ??? 追いつめる???

 ええぇぇ!!! 私、そんなの考えてないっ!!!



 焦って、次のメールを開くけど、それは会長からではなくて、書記の相模先輩からだった。



 ---風邪は大丈夫? 無理はしない。薬をちゃんと飲むこと。

 それから、福田の案、なかなか面白い。検討中。

 私としては、おためし男女混合クラスがいろいろな意味で面白いと思うよ。




 お試し男女混合クラス!? 私、そんなの知らない。なに、それ!?



 思わず、腰かけていたベッドから勢いよく立ちあがってしまう。



 ・・・あとから知ることになるんだけど・・・、私が早退した後、長岡くんに用紙を渡す前に、クラスメイトたちがさらに、斬新で過激な案を書き加えていたんだ。

 

 


  
 

 
 

 

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